【アガルート社労士講座|労働基準法】実務に役立つ基礎知識コラム【平均賃金】

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【アガルート社労士講座|労働基準法】実務に役立つ基礎知識コラム【平均賃金】

 

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また普段とは違う方法で学習するのも、気分転換になって挫折防止に繋がります。

「ヤムチャ総務課長ブログ」では、現役の社労士が実務でも役立つ知識を社労士試験の学習範囲に沿って解説します。
 

ぜひ気分転換に、当ブログをご覧頂ければ幸いです。

今回は、「平均賃金」について解説していきます。
 

平均賃金って何に使われるの?


 

平均賃金とは、1生活日当たりの賃金のことをいい、労基法第12条では長々と平均賃金の計算方法等について書かれています。
 

以下では、参考に本条を載せていますが、最初に読むと嫌になるので、いきなりすべて読む必要はありません。

ポイントを押さえて理解するようにしましょう。
 

平均賃金を理解する上で抑えておくべきポイント

  1. 平均賃金を使う場面
  2. 原則の計算方法
  3. 平均賃金の計算に含めない賃金と日数
  4. 特例に計算方法

 

以上の各ポイントの解説を見ながら、条文と照らし合わせて勉強していきましょう。

 

第十二条 この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。
一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十
二 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額
② 前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。
③ 前二項に規定する期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前二項の期間及び賃金の総額から控除する。
一 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
二 産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間
三 使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間
四 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業(同法第六十一条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第三十九条第十項において同じ。)をした期間
五 試みの使用期間
④ 第一項の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。
⑤ 賃金が通貨以外のもので支払われる場合、第一項の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
⑥ 雇入後三箇月に満たない者については、第一項の期間は、雇入後の期間とする。
⑦ 日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする。
⑧ 第一項乃至第六項によつて算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる。

《参考元》e-Gov法令検索
 

1.平均賃金を使う場面


 

平均賃金は、次の5つを算定する際に用いられます。

 

平均賃金を算定すべき事由

  1. 解雇予告手当
  2. 休業手当
  3. 年次有給休暇中の賃金
  4. 災害補償
  5. 減給の制裁

 

詳しいことは、それぞれの章で解説します。

解雇予告手当については、既にこちらの「【アガルート社労士講座|労働基準法】実務に役立つ基礎知識コラム【解雇予告編】」で解説していますので、参考にしてください。
 

【アガルート社労士講座|労働基準法】実務に役立つ基礎知識コラム【解雇予告編】
「社労士の受験勉強だけでなく、実務で使える内容と一緒に覚えたい」という方は、ぜひこちらのコラムをご覧ください。 「ヤムチャ総務課長ブログ」では、現役社労士が「アガルートの社労士講座」を受講して、合格後も実務で役立つ基礎知識を詳しく解説しています。

 

注意点として、平均賃金は、いわゆる残業代(割増賃金)の計算には用いられないので覚えておいてください。
 

平均賃金が算定に用いられるのは、以上5つだけです。

 

2.原則の計算方法


 

本条の第1項では、平均賃金の計算する原則の計算式について規定しています。

計算式は、次の通りです。
 

平均賃金の原則の計算式

算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額 / 3ヶ月間の歴日数(総日数

 

こちらの原則の計算式は、必ず押さえるようにしてください。

実務をする上でのポイントとして、次のことも押さえておくといいでしょう。
 

実務でのポイント

  • 銭位未満の端数を切り捨て(小数点第3位以下を切り捨てる)
  • 賃金の締日から起算して3ヶ月間で算定

 

計算した平均賃金は、銭単位まで算出することが必要です。

その際、銭位未満の端数を切り捨てることになります。(四捨五入ではないことに注意
 

また、どの会社も給与に賃金締日があると思うので、「算定事由発生日以前3ヶ月間」は、「直前の賃金締切日」から起算した3ヶ月で算定してください。
 

例えば、給与の締日が毎月月末の翌月25日払いの会社の場合は、次のようになります。

 

《具体例》
7/20に算定事由が発生

直前の賃金締切日である「6/30」から起算して3ヶ月間が算定期間となる

⇒ 4,5,6月分の3か月の給与の総額を、91日で除すことで平均賃金が算定される

 

また、雇入れから3ヶ月満たない者の平均賃金の算定には、本条第6項で、「雇入れ後の期間その期間中の賃金総額」で算定することと規定されています。
 

ただし、賃金締切日があり、かつ1賃金算定期間がある場合は、直前の賃金締日から起算することになります。
 

こちらも実務でもよく使われるので、覚えておくといいでしょう。
 

3.平均賃金の計算に含めない賃金と日数


 

以下の期間中の日数と賃金については、先ほどの平均賃金の計算から控除することになります。

 

日数からも賃金からも控除する主な期間

  • 業務上負傷し、又は疾病により療養のため休業する期間
  • 産前産後の女性が第65条の規定により休業する期間
  • 使用者の責に帰すべき事由により休業する期間
  • 育児介護休業法に基づく育児休業又は介護休業をする期間
  • 試みの試用期間

 

業務上に限定されている点、「子の看護休暇」「介護休暇」については、該当せず、平均賃金の算定の基礎に含まれる点は、注意してください。
 

次は賃金のみから除外する賃金の一覧になります。
 

算定基礎から除外する賃金

解雇予告が適用除外される者 例外として解雇予告が必要な場合
臨時に支払われる賃金 結婚手当、退職手当等
3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 賞与等
通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの 法令又は労働協約の定めに基づかない現物給与(適法ではないもの)

 

4.特例に計算方法


 
賃金の全部が、時給・日給・出来高払制その他の請負制の場合は、次の計算式で算定することになります。
 

平均賃金の最低保障

算定事由発生日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額 / 3ヶ月間の労働日数 × 60%

 

アルバイトなどの時給の社員の平均賃金を算定する場合、原則の計算式での平均賃金額が、上記で計算した額を下回ってはいけません。
 

下回った場合は、「平均賃金の最低保障」で算定した平均賃金が優先されることになります。
 

ただ、賃金の一部時給・日給・出来高払制その他の請負制の場合は、「原則の計算式」と「平均賃金の最低保障の計算式」で計算した額を合算することになります。
 

少しわかりづらいので、以下の例題を使って解説します。
 

《例題》
月給制の賃金(3カ月分):家族手当3万円
時給制の賃金(3カ月分):基本給30万円
賃金の総額(3カ月分):33万円
総歴日数:91日
実労働日数:40日

 

まず賃金を総額を「原則の計算式」で計算します。
 

①原則の計算式(賃金総額 / 総歴日数)
33万円 ÷ 91日 = 3,626円37銭

続いては、月給制の部分は「原則の計算式」で、時給制の部分は「平均賃金の最低保障の計算式」でそれぞれ算定した額を合算します。
 

②特例計算式((月給制賃金総額 / 総歴日数) + (時給制賃金総額 / 労働日数 × 60%))
ⅰ 3万円 ÷ 91日 = 329円67銭
ⅱ 30万円 ÷ 40日 × 60%= 4,500円
ⅰ + ⅱ = 4,829円67銭
 

①と②の高い方が優先されることになるので、今回は②の4,829円67銭が平均賃金となります。
 

実務でも計算するケースが出てくるので、特例の計算方法があることを覚えておきましょう。
 

平均賃金の計算の考え方などは、労基法だけでなく、今後勉強するその他の「労災法」や「雇保法」でも活用できるので、繰り返し学習することをおすすめします。
 

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