人事・総務・経理の役立つ資格を徹底分析【難易度別おすすめ資格一覧表を大公開】
人事・総務・経理などの管理部門の仕事に携わっている方、転職を検討している方で、こんな疑問お持ちではないでしょうか。
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私は、社労士の資格も保有しており、現在一般企業で社内社労士として主に、「給与計算業務」や「人事労務管理」に携わっています。
そんな私が次のことを解説します。
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「人事・総務・経理」などのバックオフィス業務に携わるのに、資格取得は必須ではありません。
ただ、資格取得や知識をつけることで、仕事の幅やキャリアアップにつなげることができます。
バックオフィス業務をずっと続けたい方や未経験から転職を検討している方に有益な内容になっています。
ぜひ本記事を通して、キャリアアップにつなげて頂ければと思います。
人事・総務・経理おすすめ資格一覧【職種別に紹介】
バックオフィス業務と言っても「人事」や「総務」「労務」「経理」など仕事内容は、多岐に渡ります。
そのため、どんな仕事をするかによって、必要となる資格が異なります。
大手企業では、細かく部署で分かれていることがありますが、中小企業では一つでの部署ですべての仕事をまとめて行うケースが多いでしょう。
私が働く会社でも、各セクション分かれておらず、人事総務部の私が経理の仕事まで行います。
そんな経験から、それぞれおすすめの資格を紹介します。
おすすめ資格早見表
今回は、「人事・労務」「総務」「経理」の仕事に分けて、おすすめの資格を紹介します。
まずこちらの早見表をご覧ください。
人事・労務のおすすめ資格一覧
人事・労務資格の早見表
資格名 | 難易度 | 公式サイト |
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社会保険労務士 | 難関 | 【社労士試験】公式サイトはこちら |
衛生管理者 | 普通 | 【衛生管理者試験】公式サイトはこちら |
キャリアコンサルタント | 普通 | 【キャリアコンサルタント試験】公式サイトはこちら |
人事総務検定 | 易しい~普通 | 【人事総務検定】公式サイトはこちら |
産業カウンセラー | 易しい | 【産業カウンセラー試験】公式サイトはこちら |
セカンドキャリアアドバイザー | 易しい | 【セカンドキャリアアドバイザー試験】公式サイトはこちら |
総務のおすすめ資格
総務資格の早見表
資格名 | 難易度 | 公式サイト |
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行政書士 | 難関 | 【行政書士試験】公式サイトはこちら |
宅建士(宅地建物取引士) | 普通 | 【宅建試験】公式サイトはこちら |
ビジネス実務法務検定 | 易しい~普通 | 【ビジネス実務法務検定試験】公式サイトはこちら |
マイナンバー実務検定/個人情報保護士 | 易しい~普通 | 【マイナンバー実務検定】公式サイトはこちら |
ITパスポート | 易しい | 【ITパスポート試験】公式サイトはこちら |
秘書検定 | 易しい | 【秘書検定】公式サイトはこちら |
経理のおすすめ資格
経理資格の早見表
資格名 | 難易度 | 公式サイト |
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公認会計士 | 超難関 | 【公認会計士試験】公式サイトはこちら |
税理士 | 超難関 | 【税理士試験】公式サイトはこちら |
中小企業診断士 | 難関 | 【中小企業診断士試験】公式サイトはこちら |
ファイナンシャルプランナー | 易しい~普通 | 【FP技能検定】公式サイトはこちら |
簿記2級 | 普通 | 【日商簿記検定試験】公式サイトはこちら |
給与計算実務能力検定 | 易しい~普通 | 【給与計算実務能力検定】公式サイトはこちら |
「人事・労務」「総務」「経理」各仕事に役立つ資格を一覧にしてみました。
それぞれの資格の詳細は、公式サイトもしくは後ほど詳しく解説しますので、そちらを参照してください。
ただ、闇雲に資格を受けても、費用や時間を浪費するだけです。
資格を取得するに当たって、肝に銘じて置くべきことについて解説します。
【資格選び】肝に銘じておくべき3つのこと
資格取得の勉強を始める前に、まず次のことを意識しましょう。
資格選定のポイント
- 資格取得の目的をしっかり持つ
- トレンドにあった資格選びをする
- 資格取得を目標としない
資格取得の目的をしっかり持つ
資格取得の目的は、大きく分けて次の2つでしょう。
- 未経験分野への転職
- キャリアアップ
未経験分野への転職が目的なら資格取得に時間がかかる国家資格などは、避けるべきでしょう。
働きながら転職活動するなら問題ありませんが、長期的に収入がないと心に余裕を持てません。
資格の勉強をする際、精神面も重要となるので、良い結果が出ない可能性が高いです。
そのため、1~3ヶ月程度で取得可能な資格を選ぶことをおすすめします。
在職中にキャリアアップを図るなら国家資格に挑戦してみましょう。
管理職への昇進・昇格や大手企業への転職なら尚更です。
取得までの期間が長いものだと、1年以上かかる資格もあるので、安定的な収入や家族からのサポートも必須です。
それなりの覚悟をもって臨むようにしましょう。
トレンドにあった資格選びをする
現在の人事総務の仕事に、役立つ資格なのか見極めることが大切です。
昨今、企業が行わなければならない対策は山積みです。
- 働き方改革による残業時間の規制の厳正化
- セクハラ・パワハラ対策の義務化
- 個人情報保護の厳正化など
こういった対策のために、企業が専門的な知識を持った人材を求める可能性が高いです。
企業がどんな知識を持った人材を求めているか想定して、資格選びを行いましょう。
資格取得を目標としない
絶対にやってはいけないことは、資格の取得を目的とすることです。
趣味として資格取得をしている方を否定するつもりはありません。
人事・総務の仕事で活かすのが目的なら、勉強することで得られる知識に重点を置いてください。
人事総務の仕事は多岐に渡るので、広く浅い知識より、これだけは誰にも負けないという専門的な知識があると自分の価値が高まるでしょう。
以上の3点を踏まえて、先ほどの資格一覧から、まずは取得に時間が掛からない役立つ資格の詳細を見ていきましょう。
人事・総務の仕事に役立つおすすめ資格
人事・労務の仕事に役立つ資格
人事総務検定
未経験の方が人事総務の実務を理解するのに、ピッタリな資格になります。
3級と2級を受けることで、入社してすぐ任されるであろう次のことを体系的に学ぶことができます。
【人事総務検定】身に着けられること
- 従業員の入退社時の手続き
- 社保の手続き
- マイナンバーの取扱い
- 労災が発生した場合の手続き
- 健康保険給付の手続きなど
人事総務検定は、あくまでも人事総務の未経験の方が、基礎知識を付けるための検定だと思ってください。
1級になると、「人事評価」や「就業規則、社内規則の規定の仕方」など、少し上級者の内容になるので、取得する必要はないでしょう。
他の資格を取得することをおすすめします。
《関連記事》【人事への転職】女性が働きやすい転職先の選び方とおすすめ転職サイト3選
産業カウンセラー
従業員に健康で安心に働いてもらうことをサポートするのも、人事労務の仕事の一つです。
現在、共働きの世帯も増えてきており、働く上で多くの問題やストレスを抱える方が多いです。
- 家族の介護の問題
- 妊娠や育児中に働くことによるストレス
- テレワークなどで自宅時間の増加によるメンタル不調など
産業カウンセラーは、そんな方をカウンセリングによって、自分の力で解決できるように、援助する相談役の役割を担っています。
また、社内でのストレスのほとんどが、上司や同僚との人間関係によるものです。
「コミュニケーションスキル」や「リーダーシップ」「ソーシャルスキル」などを指導し、人間関係のトラブルを事前に防止するのも産業カウンセラーの仕事の一つです。
従業員が多くなればなるほど、企業に求められる資格と言えます。
セカンドキャリアアドバイザー
セカンドキャリアアドバイザーは、中高年世代や定年後のキャリア支援を行う専門家です。
人生100年時代と言われ、40代50代の内から、60歳以降の人生設計が必要不可欠になっています。
- 平均寿命の増加
- 年金2000万円問題など
定年を迎えても、定年再雇用や再就職によって、働き続ける方が多いのではないでしょうか。
今後さらに、60~65歳でリタイヤする方は、少数派になるでしょう。
企業にとっても、労働力人口(15歳以上65歳未満)が減少傾向にある中、人材の確保が困難になっています。
今後、定年制度を廃止し、経験豊富な社員に継続して働いてもらう企業が増えていくことが予想されます。
そのため、中高年世代のキャリア・ライフプラン設計のスペシャリストである「セカンドキャリアアドバイザー」の資格が注目を集めています。
受験勉強から修了認定試験まですべて自宅で行うことができるため、家事や育児で忙しい方にもおすすめな資格です。
年金アドバイザー
人事総務部で、給与計算を行う企業もあるはずです。
その際、年金の知識を持っておくと、給与計算業務の理解が早まります。
また、年金受給者の従業員の方が、一定額以上の給料をもらうと年金額の一部の支給が停止する「在職老齢年金」という制度があります。
年金支給年齢である65歳以上でも働く方が多くなっているため、年金の受給額に関する相談は増えることでしょう。
他にも従業員の方が抱える年金に関する悩みは多いはずです。
- 60歳代前半の老齢厚生年金の手続きについて
- 老齢年金の繰上げ繰下げ支給制度の問い合わせ
- 障害のある従業員の障害年金に関する相談
- 従業員が亡くなった際の遺族年金に関する相談
年金アドバイザーの資格は、年金に関する専門的かつ実践的な知識を付けることができるため、おすすめです。
年金アドバイザーには、2級~4級までで1級はありません。
受験者の大半は、3級の受験者で、年金知識の基本的な部分は身に着くため、まずは3級からスタートするのがいいでしょう。
今後も、年金に関する知識は社内での信頼にも繋がるので、おすすめの資格です。
総務の仕事に役立つ資格
秘書検定
秘書検定は、社会人に必要なマナーや一般常識が身に着くため、若い社会人の方が受けることが多い人気資格です。
新卒で総務の仕事に就きたい方は、持っておくといいでしょう。
ビジネスシーンだけでなく、冠婚葬祭や席次のマナーなど、普段の生活でも活かせる知識も学ぶことができます。
そのため、勉強が苦にならず、資格の勉強に慣れていない方にもおすすめの資格となっています。
ビジネス実務法務検定
近年、企業ではコンプライアンスの意識が高まっており、多様化する法務リスクへの対応が必要不可欠です。
企業が弁護士を直接雇用する「企業内弁護士」も増加傾向にあります。
ただ、報酬が高額になるため弁護士を雇用できるのは大手企業ぐらいでしょう。
そのため中小零細企業では、法令の知識を持った人材が求められる傾向にあります。
ビジネスで必要な幅広い法律を学ぶことができるのが「ビジネス実務法務検定」です。
業種・職種問わず、主要分野はカバーされているので、民法や労働法等の人事総務に必要な法律の基礎知識を付けることが可能。
ビジネス法務検定、1~3級があり、その中で2,3級がおすすめです。
2,3級の勉強をすることで、企業間取引に関する法律から企業と労働者間の法律などを学ぶことができます。
2級まで取得することで、国家資格などの難関資格へのステップアップも考えられるので、法律初学者にはおすすめの資格です。
マイナンバー実務検定/個人情報保護士
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度の理解やマイナンバー法に関するガイドラインの本質をしっかり理解しているかを問う試験です。
1~3級まであり、3級はマイナンバー法の概要がメインになります。
おすすめは、2級を取得することです。
その理由は、マイナンバー実務検定を主催している全日本情報学習振興協会の「個人情報保護士」の資格とのダブルライセンスを狙うことができるためです。
マイナンバー検定は、マイナンバー法に特化した検定ですが、個人情報保護士は個人情報全般の知識が必要となります。
人事総務で扱う書類には、マイナンバー以外の個人情報が載っている書類が多くあるので、個人情報保護士を持っている方が、企業により求められる人材になることができます。
ITパスポート
ITパスポートは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験とされています。
ITパスポートの勉強で身に付けられるのは、ITに関する基礎知識だけではありません。
- ITをビジネスで効果的に活用するIT力
- AIやビックデータなどの新技術に関する知識
- マーケティングや経営戦略などの経営全般の知識
どこの企業も抱える「売上の向上」や「経費削減」などの課題は、ITなくして解決することはできません。
そのため、ITパスポートの資格は、将来経営に携わりたいと考えている方にとっては、必須な知識を学べる資格と言えます。
経理の仕事に役立つ資格
ファイナンシャルプランナー
FP(ファイナンシャルプランナー)は、金融や税金、不動産、保険、年金などお金に関わるアドバイザーとしての役目を担っています。
経理の仕事には、財務諸表の作成や給与計算業務など、専門的な知識が必要なものが多いです。
FPは、お金に関する幅広い知識が必要とされるため、経理の仕事にピッタリな資格です。
FPには1~3級まであり、仕事で活かすなら2級の取得がおすすめです。
3級はライフプランニングや不動産などの入門編になっており、実生活で活かせる知識が身に付きますが、ビジネスで活かすには2級レベルの知識が必要です。
ただ、2級を受験するには、3級の合格などの一定の条件をクリアしていないといけないため、まずは3級の取得を目指すのがいいでしょう。
簿記2級
簿記2級は、経理だけでなく、職種を問わず持っておくと大きな武器になります。
営業なら得意先の財務諸表を見ることで財務状況を把握することができますし、管理職としても部や課の利益の追及に必須の知識です。
当然転職の際も、大きなアドバンテージになる資格となります。
ただ、その分難易度は高く、合格率は平均して20%前後です。
初学者の方が独学でいきなり2級を目指すのは、難易度が高いので、まず3級の取得を目標にするといいでしょう。
3級合格後なら十分2級の合格も可能です。
ただ、経理の仕事で活かすなら2級の知識が必要となるので、2級から目指すのであれば通信講座などで合格を目指すことをおすすめします。
私が簿記2級に合格した経験談などはこちらの「簿記3・2級の同時合格者が教える通信講座の選び方【おすすめ3選と無料講座を徹底分析】」を参考にどうぞ!
給与計算実務能力検定
経理のメイン業務の一つである給与計算業務の能力を図る試験になります。
1,2級の検定があり、経理の実務経験のない方は、2級の受験がおすすめです。
2級は、給与計算の実務の基礎知識に加え、給与計算をする上で必要な労働基準法や社会保険制度の概要についても、学ぶことができます。
2級取得後、1級の勉強をすることで、更に応用的な知識を身に着けることができます。
- 年末調整
- 退職金
- 管理監督者の取扱い
- 変形労働時間制の時間外労働など
以上の内容は、年間の給与計算の実務をこなす上で、欠かせない知識です。
1級を持っておくと、給与計算業務のスペシャリストとして社内での信頼も得ることができます。
以上それぞれの業務で役立つ資格を解説してきました。
未経験の方は、資格を取得することで、人事・総務・経理の仕事をイメージできると思うので、ぜひ挑戦してみてください。
ただ、バックオフィス業務につくのに、資格取得は必須ではありません。
人事総務は資格なしでも働ける?【向ている人とは?】
「資格ないんだけど、人事総務で働けるかな?」と不安な方、バックオフィス業務は、必ずしも資格は必要ありません。
その理由を解説しましょう。
未経験でも人事総務の仕事ができる3つの理由
その理由は次の3点です。
- 採用業務・労務管理の仕事は未経験でも十分可能
- 余裕を持って仕事の引継ぎができるケースが多い
- 適性の方が重要
詳しく見ていきましょう。
採用業務・労務管理の仕事は未経験でも十分可能
人事総務の仕事も多岐に渡ります。
その中でも、採用業務や労務管理の業務は、未経験者の求人が多い傾向にあります。
採用業務
新卒採用を行う企業は、全国を回って採用活動を行うケースも多く、体力も必要となるため、若い方の採用にも積極的です。
また、コミュニケーション能力が高く、就活生の気持ちになって考えられる人材の方が、経験者よりも優遇されるでしょう。
労務管理
労務管理に関しては、経験豊富な管理者がいる企業ならサポート業務がメインになります。
労働社会保険の手続きなど、決まった書類の提出などのルーティンワークも多いため、未経験者でも十分可能です。
社労士などにアウトソーシングしている企業もあるため、わからない点は専門家に確認して進めることができます。
余裕を持って仕事の引継ぎができるケースが多い
企業の人事総務部では、女性も多く活躍できる仕事です。
そのため、人事総務を採用するケースとしては、結婚での退職や産休・育休でお休みする人の補充となることも多いです。
引継ぎまで余裕があるため、教えられたことを卒なくこなす、素直さが求められます。
ただ、未経験での求人もたくさんあるわけではありませんし、人事総務の求人は人気があるため、スピード感が大切です。
常に転職サイトを欠かさずチェックする必要があるでしょう。
仕事が忙しくてチェックする暇がないという方は、人事総務の未経験の求人が出た際に連絡をもらうように、転職エージェントにいくつか登録しておくことをおすすめします。
未経験の方が人事・総務・経理の転職するのに、おすすめの転職エージェントは次の通りです。
転職を希望する方は、まず無料の会員登録を済ませておきましょう。
【無料】おすすめ転職エージェント
転職エージェント | 公式サイト |
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MS-Japan | 【MS-Japan】無料会員登録はこちら |
リクルートエージェント | 【リクルートエージェント】無料会員登録はこちら |
マイナビエージェント | 【マイナビエージェント】無料会員登録はこちら |
パソナキャリア | 【パソナキャリア】無料会員登録はこちら |
doda | 【doda】無料会員登録はこちら |
JAC Recruitment | 【JAC Recruitment】無料会員登録はこちら |
《関連記事》【人事への転職】転職エージェント利用のメリットとは?おすすめの転職エージェント5選
適性の方が重要
どんな仕事でも、精通する資格や経験がある方が即戦力として期待されます。
ただ、企業も求める人材が毎回採用できるとは限りません。
そのため、人事の仕事は未経験の方でも求人を出しているケースがあります。
未経験だからといって、誰でもいいわけではなく、適性をしっかり見られます。
むしろ資格や経験よりも、人事に向いている人材かを重視する傾向にあります。
では、人事総務に向いている人とは、どんな人なのでしょうか。
人事総務に向いている人ってどんな人?
どんなにスキルがあっても自分に向かない仕事を続けるのは苦痛ですよね。
総務の仕事にはどんな方が向いているのか解説しましょう。
総務に向いている人の特徴
ざっくり挙げるとこんな感じです。
【人事総務】向いている人一覧
- 人の役に立つこと・相談に乗ることが好き
- 裏方の仕事だという意識を持つ
- 人とコミュニケーションを取ることが好き
- ルーティンワークが苦にならない
- 期限をしっかり守れる
企業の中で華やかに見られる営業と違い、人事総務の仕事は、地味に思われがちです。
ただ、人事総務などのバックオフィスは、経営者と従業員との架け橋となる役割を担っている重要なポジションです。
そのため、経営者側と従業員側と上手くコミュニケーションを取って、双方のサポートをしなければなりません。
裏方業務やルーティンワークがメイン業務となるため、個人の成績アップにこだわる方は、この仕事に向きません。
自分の業務やアドバイスが、会社や従業員の役に立っていると感じれる方が、人事総務部で活躍できる可能性が高いと言えます。
経験や資格がなくても、人事総務で活躍できることがお分かり頂けたでしょうか。
ただスキルアップを図ることが、必要となることもあるでしょう。
- 業務の幅を広げたい
- キャリアアップをしたい
- 管理部門で管理職を目指したい
- ずっと人事総務の仕事を続けたい
- 資格手当で給料のアップを図りたい
こう思った方は、国家資格を目指すことをおすすめします。
《関連記事》人事の平均年収はいくら?年収をアップさせる4つの方法【おすすめのハイクラス転職サービスも紹介】
キャリアアップを狙うなら国家資格【直近の合格率も公開】
国家資格ともなると、合格率も10%前後と合格する難易度は一気に上がります。
ただ、取得すると仕事で有利となるので、合格率を恐れずに挑戦してみてください。
では、職種別に紹介しましょう。
人事・労務の仕事で役立つ国家資格3選
衛生管理者
業種問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業所は、労働者数に応じて、資格を持った衛生管理者が常駐していなければなりません。
そのため、業種を問わず、持っていると重宝される資格になります。
衛生管理者の免許には、一種と二種があります。
一種免許は、すべての業種の事業所で衛生管理者となれるため、取得するなら第一種免許が
おすすめです。
第一種衛生管理者試験の受験者数と合格率(令和2年度)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
43,157人 | 43.8% |
国家資格の中では、合格率が高いですが、試験科目が労働衛生に関する実務や法令関係など、学習難易度は高めです。
また学歴や実務経験などの受験資格もあり、注意が必要です。
ただ、取得すると大手企業の転職にも有利になるため、時間を掛けてでも資格取得を目指す価値はあるでしょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを通じて、労働者の能力の開発・向上をさせたり、キャリアプランのアドバイスをすることが主な役割です。
人事の重要な仕事として、労働者の教育があります。
労働者に自分の得意なことや不得意なことを自覚させ、今後のキャリアに活きるために必要な知識や資格の習得を支援することは、労働者自身や会社の成長に繋がります。
そのため、キャリアコンサルタントは、労働者や会社の将来を担う重要なポジションなのです。
キャリアコンサルタント試験は、学科と実技試験があり、どちらか一方ずつ受験することも可能なため、余裕を持って試験対策をすることができます。
双方の合格を経て、キャリアコンサルタントとして登録ができるようになります。
学科と実技の同時受験者の受験者数と合格率は次のとおりです。
キャリアコンサルタント試験の受験者数と合格率(第17回)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
1,300人 | 46.5% |
試験問題は、全50問で4択での出題形式となります。
年に数回試験が行われるため、国家資格の中では、比較的取得しやすい資格と言えます。
社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、労働社会保険諸法令に精通する唯一の国家資格です。
人事労務の仕事との親和性も高く、企業からも最も重宝される国家資格と言えます。
社会保険手続きの代行や賃金台帳などの帳簿の作成業務などの「独占業務」を有しているため、独立を目指している方にもおすすめの資格です。
ただ、その分難易度は高く、国家資格の中でも難関資格に位置づけられています。
社労士試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
34,845人 | 6.4% |
《参考元》【厚生労働省】第52回社会保険労務士試験の合格者発表
合格率は、例年6%台で推移しており、他の国家資格と比べても資格取得の難易度が高めです。
ただ、合格者の8割近くは会社員や公務員の方なので、働きながら十分合格できる資格です。
私も、まったくの未経験から令和元年度の社労士試験に合格した実績があり、現在は一般企業の人事総務部の管理職として働いています。
そんな経験から、社労士の資格は、キャリアアップにも繋がる資格としておすすめできます。
《関連記事》【社労士の資格を目指す初学者へ】受験勉強前に読むべき社労士の取説
総務の仕事で役立つ国家資格2選
宅地建物取引士
土地や建物などの不動産売買や賃貸借の契約の際、重要事項などの説明するのが宅地建物取引士(宅建士)の仕事です。
これを見ると、不動産業者でしか役立てないようなイメージですが、業種を問わず総務部で重宝される資格です。
自社の不動産の売買や新しく営業所や倉庫を借りて営業する際、必ず不動産業者とのやり取りが必要となります。
特に、宅建試験で勉強する「宅建業法」の知識があれば、不利な契約を締結させられるリスクも軽減できます。
直近の令和2年度の試験(10,12月試験の合算)の受験者数と合格率を見てみましょう。
宅建試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
204,250人 | 16.8% |
受験者数は、毎年20万人近くおり、国家資格の中で最も多い人気資格になります。
合格率は低く感じますが、不動産業者の新入社員が受けることが多く、勉強時間を確保できていない受験生が多いのが原因の一つです。
通信講座なら3ヶ月ぐらいの勉強期間で合格を目指すことができます。
仕事が忙しい方もぜひ挑戦してください。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や提出代行が主な仕事です。
総務の仕事の一つとして、許可申請や変更の届出等がありますが、営業所の数が多いほど、頻繁に行わないといけません。
国の許認可など申請は、記入のルールが複雑で添付書類も多く、専門知識が必要なため、行政書士の知識は、総務の仕事の効率化に役立ちます。
直近試験の合格率は、次の通りです。
行政書士試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
41,681人 | 10.7% |
行政書士試験は、民法の学習範囲を広く、多くの受験生が苦労する科目です。
そのため、独学よりも通信講座や予備校を利用するといいでしょう。
行政書士は、法律試験の登竜門という位置づけで、基礎の学習をしっかりしないと合格ラインに達することが厳しくなります。
そのため、司法試験などの合格実績が高い予備校を選ぶようにしましょう。
アガルートは、司法試験の合格者の占有率が50%近いため、一番おすすめの講座です。
経理の仕事で役立つ国家資格3選
中小企業診断士
中小企業診断士は、業種問わず多くのビジネスパーソンに指示されている資格です。
中小企業の診断を通して、経営課題を見つけ、適切な助言および指導をを行うが主な仕事になります。
ベンチャー企業などの若い経営者の相談役として、高いニーズがあるため、資格を保有していると、経営者層から厚い信頼を得ることができます。
経営コンサルタントの唯一の国家資格ということで、近年注目されている資格のため、難易度も高めです。
中小企業診断士試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 | |
---|---|---|
一次試験 | 11,785人 | 42.5% |
二次試験 | 6,388人 | 18.4% |
試験は、1次と2次試験まであり、2次試験は一次試験を受かった人ですら、8割以上が不合格となる難関試験です。
2次試験は、筆記と口述試験の2種類あり、筆記試験に合格すると10分間の面接形式による口述試験に臨むことができます。
口述試験は、99%の方が合格するので、2次試験の筆記試験が鬼門と言えるでしょう。
また、中小企業診断士として登録するには、2次試験合格後、実務補習を15日以上受ける必要があります。
通常、取得までに1年以上の期間を要するため、事前に計画を立ててから学習を進めるようにしてください。
税理士
企業の経理業務で避けて通れないのが、決算業務です。
事業規模にかかわらず、必ず行わないといけない責任のある業務になります。
決算書の作成には、税務などの専門的な知識を必要とし、1,2年の経理経験でこなせる業務ではありません。
そのため、中小企業では顧問税理士などに依頼するケースが多いでしょう。
これらの専門的なスキル持った人材が社内にいるのは、大きな強みとなります。
また税理士はコンサル業務を行うことが多いため、中小企業などの経営者に直接意見を言える規模の企業なら、将来重要なポジションに付ける可能性が高いでしょう。
税理士試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 |
---|---|
26,673人 | 20.3% |
税理士試験は、11科目から5科目選択して受験する制度になっています。
科目合格制度を採用しており、上記の合格率は科目合格の人も含まれているため、高いように感じるかもしれません。
5科目に合格するのに平均3~5年と言われているので、働きながら長期的な計画を立てて合格を目指すのがいいと思います。
独学での取得は、極めてハードルが高いので、5年以内の合格を目指すなら予備校又は通信講座で学習するようにしましょう。
公認会計士
上場企業の場合、株主等への経営情報の開示義務があり、公認会計士による監査も必須となります。
そのため上場企業の経理部なら税理士よりも公認会計士の方が、重宝されるでしょう。
また大手企業では、公認会計士が社内会計士として在籍しているのが当たり前になっているため、ハイクラス転職にも非常に有利な資格です。
ただ、三大国家試験の一つである公認会計士試験を突破しないといけないため、資格難易度は税理士より高いと言われています。
公認会計士試験の受験者数と合格率(令和2年度試験)
受験者数 | 合格率 | |
---|---|---|
短答式試験 | 11,598人 | 16.0% |
論文式試験 | 3,309人 | 40.3% |
《参考元》【公認会計士・監査審査会】令和2年公認会計士試験の合格発表について
短答式試験に合格しないと、論文式試験を受験することはできません。
また短答式試験に合格後、2年以内に論文式試験に合格しないと再度、短答式試験から受け直さないといけません。
税理士試験に比べて、短期間で合格する必要があるのが最難関資格と言われる理由です。
合格者の特徴として、社会人よりも勉強時間を確保しやすい学生が多い傾向にあります。
勉強時間の確保が困難な社会人の方が独学で合格するのは、ほぼ不可能と言えます。
資格予備校又は通信講座での計画を立てた学習が合格への近道です。
各管理部門の職種に役立つ国家資格について解説してきました。
どの資格も簡単に取得できるものではありません。
だからこそ取得する価値があると言えます。
ただ、資格の取得を評価してくれない会社もあります。
そういった場合でも、転職に有利になる可能性が高いですよ。
資格があると転職に有利になる3つの理由
努力して取得したのに、何の評価もされないのは、労働意欲の低下に繋がります。
その際、転職も一つの選択肢として検討してみましょう。
資格の取得はあなたの転職を有利にしてくれます。
理由は次の通りです。
転職が有利になる3つの理由
- 法律の複雑化により管理職候補の募集もある
- だまされなくて済む
- 人事総務部の転職は難しい
1.法律の複雑化により管理職候補の募集もある
昨今、働き方改革やパワハラ・セクハラ対策など、企業に求められることが多くなっています。
労働法など法改正が頻繁に行われるため、人事総務の仕事には、専門的な知識を持った人材がいないと対応が難しくなります。
対応を怠ると、企業が社会的な制裁を受けるなんてことにもなり兼ねません。
そのため、大手企業を中心に、社員研修で管理職候補の教育の強化を図ったり、社労士などの国家資格持った人材を管理職として中途採用する傾向にあります。
資格の取得は、「大手企業転職」「管理職転職」を希望する方にとって、特に有利に働くでしょう。
《関連記事》【人事転職】大手企業の人事として転職を成功させる4つのコツと企業選びの3つの注意点
2.だまされなくて済む
法律を遵守しないブラック企業は、未だに多いのが現状です。
労働法関係の法律の知識を付けておくと、「この会社なんか怪しい!」という直感が働くようになります。
そのため、ブラック企業に入ってしまい、転職する労力や時間の浪費を防ぐことにもなります。
資格の取得は、会社側へのアピールにも繋がりますが、自分を守るためにも使えるものだと覚えておいてください。
3.人事総務部の転職は難しい
人事総務への転職は、残業もそこまで多くなく、予定が立てやすいなどの理由で、転職市場でも人気が高い職種です。
そのため、辞める人も少なく、転職する難易度は高いと言えます。
また、もし退職者が出たとしても、社内人事などで人員が補填されるケースも多いため、他の職種と比べても求人は少なめです。
やっと出た求人にも応募が殺到し、資格や経験がないと書類審査で不採用なんてよくあることです。
そのため、資格取得は他者と差別化する上で非常に有利になります。
企業側へあなたを採用するメリットのアピールにも繋がります。
採用担当者の目に留まるためにも、専門性を持つことをおすすめします。
《関連記事》未経験でも人事に転職できる?未経験から人事に転職する6つのコツ
これら3つの理由から、転職を有利にするには、関連の資格を取得することが最適だとお分かり頂けたかと思います。
もう30代だから40代だからと転職を諦める方もいるかもしれませんが、実際年齢を気にする必要はまったくありません。
転職するかの判断は、現在の職場がスキルアップできる職場なのかで決めるべきです。
「将来なりたい自分になるには今どうすべきか」と自問自答してみてください。
そうすると、自ずと答えが見えてくるはずです。
まとめ【難易度順の資格一覧】
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