簿記の難易度と取得するメリットとは?【簿記3級2級を3ヶ月で同時合格できた3つの理由】
簿記の受験を検討されている方、こんな疑問持っていませんか?
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私は第160回の統一試験で簿記3級と2級を同時合格した経験があります。
そんな私が次のことを解説します。
本記事の内容
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私は普段、100人程の企業の管理部門で、経理から人事、労務管理と幅広い知識を必要とする部署で働いております。
そのため、簿記だけでなく、国家資格の社会保険労務士も保有しており、資格勉強法のノウハウも備わっているつもりです。
本記事では、簿記3級2級を短期間で同時合格できた理由についても解説します。
《日商簿記》等級別の難易度を徹底分析
商工会議所が主催する日商簿記検定には、難易度が高い順から1~3級の3等級に分かれており、それぞれ等級ごとに試験が行われます。
試験内容や難易度は、それぞれ大きく差があります。
簿記検定の試験内容を等級別に徹底比較
《日商簿記検定》等級別の比較表
3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|
統一試験(回数) | 年3回 | 年3回 | 年2回 |
ネット試験の実施 | あり | あり | なし |
試験科目 |
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配点(満点) | 100点(100点) |
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各科目25点(100点) |
合格基準 | 合計得点が70点以上 | 合計得点が70点以上および各科目40%以上の得点 | |
試験時間 | 60分 | 90分 |
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難易度 | 簡単 | 難関 | 超難関 |
参考勉強期間(目安時間) | 1ヶ月(100時間) | 4~6ヵ月(500時間) | 8~12ヶ月(1000時間) |
以上が試験の概要をまとめたものになります。
特に1級になると、合格率が10%前後を推移しており、難関の国家資格並みの難易度になっています。
そんな日商簿記検定のそれぞれの難易度や特徴を詳しく見ていきましょう。
日商簿記3級の難易度と試験の特徴
簿記3級の試験の特徴は、次のとおりです。
簿記3級の難易度と試験特性
- 経理業務の基礎知識を学べる
- 商業簿記のみの出題
- 比較的短期間で取得可能
- 2人に1人は合格できる試験
簿記3級の受験生は、経理業務に携わる方だけでなく、学生や主婦の方など、幅広い層の方が受験する傾向にあります。
試験内容も「商業簿記」のみの出題で、簿記検定の中では一番取得しやすい等級となっています。
そのため、2週間〜1ヶ月ほどの勉強で合格レベルに到達することができます。
3級の過去10回分の合格率を見てみましょう。
《簿記3級》過去10回分の受験者データ
回 | 受験者数 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|
160(2022.2.27) | 44,218名 | 50.9% | ||
159(2021.11.21) | 49,095名 | 27.1% | ||
158(2021.6.13) | 49,313名 | 28.9% | ||
157(2021.2.28) | 59,747名 | 67.2% | ||
156(2020.11.15) | 64,655名 | 47.4% | ||
155(2020.6.14) | ※中止 | |||
154(2020.2.23) | 76,896名 | 49.1% | ||
153(2019.11.17) | 80,130名 | 43.1% | ||
152(2019.6.9) | 72,435名 | 56.1% | ||
151(2019.2.24) | 80,360名 | 55.1% | ||
150(2018.11.18) | 88,774名 | 43.8% | ||
過去10回の平均 | 46.87% |
過去10回分の合格率の平均は46.87%となっており、2人に1人は合格できる試験であることがわかるかと思います。
2020年12月からネット試験が開始されたことで、更に手軽に受験できるようになりました。
簿記や会計の勉強に興味がある方は、まず3級の勉強から始めるのがいいでしょう。
3級の勉強をして、もっと簿記を勉強したいと思った方は、2級を目指すことをおすすめします。
日商簿記2級の難易度と試験の特徴
簿記2級の試験の特徴は、次のとおりです。
簿記2級の難易度と試験特性
- 中小企業の経理業務を一人でこなせる知識が身につく
- 商業簿記に加え工業簿記も出題範囲となる
- 3級の3倍ぐらいの試験範囲がある
- 独学より通信講座の方が効率的
簿記2級を学習することで、中小企業の経理業務を一通りこなすことができるようになります。
また財務諸表を読む知識が身につき、社内や得意先の財務分析などのスキルを習得できます。
それにより、高度な経理業務をこなすこともでき、管理職としての素養があることをアピールできます。
その分、個人差はありますが、4〜6ヵ月もの学習期間を要するのが一般的だと思います。
過去10回分の合格率も以下のとおり、平均20.74%と低めです。
《簿記2級》過去10回分の受験者データ
回 | 受験者数 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|
160(2022.2.27) | 17,448名 | 17.5% | ||
159(2021.11.21) | 22,626名 | 30.6% | ||
158(2021.6.13) | 22,711名 | 24.0% | ||
157(2021.2.28) | 35,898名 | 8.6% | ||
156(2020.11.15) | 39,830名 | 18.2% | ||
155(2020.6.14) | ※中止 | |||
154(2020.2.23) | 46,939名 | 28.6% | ||
153(2019.11.17) | 48,744名 | 27.1% | ||
152(2019.6.9) | 41,995名 | 25.4% | ||
151(2019.2.24) | 49,766名 | 12.7% | ||
150(2018.11.18) | 49,516名 | 14.7% | ||
過去10回の平均 | 20.74% |
2級は3級と比較して試験範囲がかなり広がるので、受験時に合格レベルに達している受験生はかなり少ないでしょう。
その理由は、以下のとおりです。
- 商業簿記は、「連結会計」「税効果会計」など難しい論点が盛りだくさん
- 工業簿記も出題範囲となる
3級の勉強がスムーズに行ったという方も、2級になると商業簿記の難易度が一気に上がるので結構苦戦すると思います。
特に「連結会計」は、テキストを1,2周しただけで、理解できるものではありません。
また商業簿記の難易度が上がることに加え、工業簿記という「製造業の簿記」も学ばないといけません。
私が受験した際に、この辺の学習の進め方などが独学だとかなり難しいのでは?と感じました。
そのため、最短距離で合格を目指したい方は、通信講座や予備校の方が学習時間を短縮できるのでおすすめです。
私が3ヶ月で3級と2級を同時合格した際に受講した講座やおすすめの無料講座などは、こちらの「簿記3・2級の同時合格者が教える通信講座の選び方【おすすめ3選と無料講座を徹底分析】」で解説してますので、参考までにどうぞ!
2級に合格した方は、最難関の1級の試験への挑戦も検討してみてください。
日商簿記1級の難易度と試験の特徴
簿記1級の試験の特徴は次のとおりです。
簿記1級の難易度と試験特性
- 会計学・原価計算が試験範囲に加わる
- 試験時間は2級の倍
- 上場企業の経理業務に携われる
- ネット試験の実施はなし
- 独学での合格はほぼ不可能
簿記1級になると、会計学や原価計算が試験範囲に加わり、試験時間も簿記2級の倍の180分と相当ハードです。
簿記2級でも「原価計算」の基礎が出題されますが、1級から本格的に学ぶことになります。
その分、高度な会計学や経営管理、経営分析に関する知識を身に付けられるので、上場企業での経理業務や将来起業したい方には、おすすめの資格です。
ただ、1級になると、独学での合格はまず不可能と言っていいでしょう。
過去10回の1級の合格率を見てみましょう。
《簿記1級》過去10回分の受験者データ
回 | 受験者数 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|
159(2021.11.21) | 9,194名 | 10.2% | ||
158(2021.6.13) | 7,594名 | 9.8% | ||
157(2021.2.28) | 6,351名 | 7.9% | ||
156(2020.11.15) | 8,553名 | 13.5% | ||
155(2020.6.14) | ※中止 | |||
153(2019.11.17) | 7,520名 | 9.8% | ||
152(2019.6.9) | 6,788名 | 8.5% | ||
150(2018.11.18) | 7,588名 | 9.0% | ||
149(2018.6.10) | 7,501名 | 13.4% | ||
147(2017.11.19) | 8,286名 | 5.9% | ||
146(2017.6.11) | 7,103名 | 8.8% | ||
過去10回の平均 | 9.68% |
過去10回の内6回は合格率が10%を切っており、その難易度は国家資格並みとなります。
また2022年時点では、3級と2級と違って、ネット試験の実施はありません。
そのため、受験機会も年2回とチャンスが3級と2級に比べ、少なくなっているのも合格率が低い要因の一つでしょう。
また公認会計士や税理士試験の登竜門ともされているので、近年の受験生のレベルも非常に高くなっています。
ただ、多くの国家資格と違って、簿記1級は絶対評価の試験のため、合格基準を満たした方は全員受かります。
そのため合否には受験生のレベルは関係ありませんので、勉強方法さえ間違わなければいつかは合格を掴み取ることができます。
ただ、独学での学習は相当難しいので、その先の国家資格を見据えて、通信講座や通学型の予備校での学習をおすすめします。
《関連記事》簿記3級2級は独学で合格できる?【独学と通信講座のメリットを徹底比較】
以上、簿記検定の各等級の難易度を解説しました。
では、実際に合格することができればどんな得があるのでしょうか。
簿記を取得するメリットは?【2級は本当に転職に有利なのか】
日商簿記検定は、経理資格の中で受験数が最も多いメジャーな資格になります。
各級ごとに取得するメリットは、それぞれ異なります。
《日商簿記》各級ごとのメリット一覧
3級のメリット |
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2級のメリット |
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1級のメリット |
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それぞれ詳しく解説していきましょう。
【コスパ最強】簿記3級を取得するメリット
簿記3級を取得するメリット
- 日常生活でも役立つ
- 経理の仕訳業務に役立つ
- コスパがいい
日常生活でも役立つ
簿記3級の一番のメリットは、学んだ知識が日常生活でも役立つという点です。
受験される方の中には、家計の収支の管理に役立てたいという方もいるでしょう。
簿記には単式簿記と複式簿記があり、日商簿記検定で学ぶのは、「複式簿記」になります。
単式簿記は、家計簿をイメージしていただければわかりやすいでしょう。
一方複式簿記は、お金の収支だけでなく、資産や負債の増減もわかるようになります。
何が資産で何が負債なのかがわかると、お金の使い方や考え方が大きく変わってきます。
また個人事業主やフリーランスの方は、税金が安くなる可能性があります。
確定申告の「青色申告」をすることで、最高65万円の控除を受けることができます。
それが簿記と何が関係あるのでしょうか?
この青色申告をするには、次の条件を満たさないといけません。
(1)不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
(2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、その年の確定申告期限(翌年3月15日)までに当該申告書を提出すること。
No.2072 青色申告特別控除|国税庁
ご覧のとおり、複式簿記で帳簿を付けることが必要になります。
青色申告は、複式簿記の知識がなくて申告できない方がたくさんいます。
そのため、簿記3級の合格レベルに達することで、青色申告のハードルが下がり、みなさんの手元に残るお金も増やすことができます。
経理の仕訳業務に役立つ
一般企業の経理部が、日々行う業務といえば経費などの仕訳業務です。
簡単な仕訳業務は、実務で慣れれば誰でもできるようになるので、簿記3級は不要という方もいます。
ただ、何でその科目を借方に仕訳するのかなど、理屈がわかると経理の業務も楽しくなりますし、上達スピードも全然違ってきます。
身の回りの仕事ができる経理マンの方や公認会計士・税理士の方なども、簿記3級の知識をしっかり身に着けているから現在の地位があるのです。
コスパがいい
簿記3級は、独学でも合格できる資格です。
用意するのは市販のテキストと問題集で十分なので、メルカリなどの中古本なら1000円ほどで購入可能です。
また最近簿記の注目度が非常に高いので、YouTubeなどで簿記3級の講義をアップしている方も多いです。
しかも質が高い講義が結構多いので、YouTubeと問題集1冊あれば合格も十分できます。
簿記に興味が沸くか試したい方は、まずYouTubeで簿記3級の講義を視聴するといいでしょう。
中でも「ふくしままさゆきさん」の講義がおすすめなので、どうぞ!
【企業が求める資格No.1】簿記2級を取得するメリット
簿記2級を取得するメリット
- 年収アップにつながる
- 転職に有利
- 将来の選択肢が広がる
年収アップにつながる
簿記2級を取得することで、年収を上げられるチャンスが増えます。
その理由は、次の通りです。
簿記2級が年収アップにつながる理由
- 手当が付く企業が多い
- 管理職候補になる
- 転職によるキャリアアップが可能
簿記2級の資格は、簡単に取得できるものではありません。
社内でもその努力が認められる可能性が高いため、資格手当が付く企業も多いでしょう。
資格手当が付く企業にお勤めなら、年収を上げる一番手っ取り早い方法と言えます。
また簿記2級は、経理だけでなく営業などでも必須の知識です。
そのため、現在所属している部署だけでなく、他の部署でも管理職候補として名前が挙がる可能性が高まるので、他の方より昇進しやすいでしょう。
現在の勤め先で認められなかったとしても、簿記2級の知識を持った人材を求めている企業はたくさんあります。
簿記2級を活かしてキャリアアップ転職するのも年収を上げる方法の一つでしょう。
《関連記事》簿記2級は転職に有利?【人事担当者が教える本当の市場価値と短期合格法】
では簿記2級は、本当に転職に有利になるのでしょうか。
転職に有利
簿記2級は、リクルートキャリアの調査で「企業が応募者に求める資格」で1位になりました。
それだけ知名度も高く、募集企業が最も評価する資格と言えます。
そのため、一般企業の経理部や会計事務所等に転職したい方にとっては、持っておくと他の応募者との差別化を図ることができます。
また「経理業務の経験者」または「簿記2級の資格保持者」を応募条件としている企業も多いので、簿記2級を取得することで選択肢が広がります。
- 未経験から経理転職をしたい方
- 転職がうまくいっていない方
上記の方は、転職活動を一旦休止して、一度資格の取得を検討するのもいいかもしれません。
おすすめの資格は、「人事・総務・経理の役立つ資格を徹底分析【難易度別おすすめ資格一覧表を大公開】」を参考にして頂ければと思います。
将来の選択肢が広がる
これまで解説した通り、簿記2級を取得することで、昇進や転職しやすいなどのメリットがあります。
それ以外にも、更に上位の資格を目指す選択肢も広がることになります。
例えば次のような資格です。
簿記2級取得後の次のステップ
- 公認会計士
- 税理士
- 簿記1級
簿記2級を勉強している方の中には、難関資格を目指している方も大勢います。
特に上記の試験は、簿記2級の学習範囲と被る部分が多いです。
まず簿記2級の学習をして次のように思った方は、上記の難関の資格を目指した方がいいでしょう。
- 仕訳をするのが苦ではない
- 財務諸表の貸借が一致するのが気持ちいい
- 連結会計は難しかったけど、理解できるようになった
- 原価計算をもっと学んでみたい
- もっと人に説明できるようになりたい
興味がないことを勉強しても、上達するのに時間が掛かります。
そして必ずいつか挫折します。
簿記を学習して、上記のような気持ちになった方は、簿記に相当興味が沸いているはずです。
簿記2級で終わるのではなく、国家資格などの難関資格を目指してみてください。
いきなり国家資格を目指さなくても、登竜門と言われる「簿記1級」を目指すのもいいでしょう。
【国家資格の登竜門】簿記1級を取得するメリット
簿記1級を取得するメリット
- 国家資格の受験資格が得られる
- 自己肯定感に繋がる
- 大手への転職に有利
国家資格の受験資格が得られる
簿記1級を学ぶことで、高度な会計・簿記の知識を身に付けられるため、会計に携わる資格の最高峰である「公認会計士」を目指す方が腕試しで受験することが多いです。
また1級に合格すると、税理士試験の受験資格を得ることができるため、税理士受験生も大勢受験されます。
それにより、簿記1級の受験生のレベルは相当高くなっています。
その分、簿記1級の試験に合格すると、公認会計士・税理士など国家資格の試験勉強の大きなアドバンテージにもなります。
自己肯定感に繋がる
資格試験に合格するには、メンタル面が非常に大事になってきます。
どんなに勉強をしても、自信を持って試験に臨まないと、当日会場の雰囲気に飲まれて実力を発揮することができません。
特に年1回しかない国家資格になると尚更です。
簿記1級は、平均の合格率10%前後と難関資格ですが、年2回試験があります。
その分チャンスが多いので、国家資格を受験する前に受験することをおすすめします。
見事合格することができれば、10%しか合格できない難関資格に受かったという自信が付き、自己肯定感が高まります。
それにより、国家試験への弾みになりますよ。
大手への転職に有利
簿記1級を学習することで、大企業の経理業務で必要な知識を身に付けることができます。
経理の業務は、営業などと比べて求人数も少なく倍率が非常に高くなります。
特に大手企業の経理となると、募集が集中することになるので、他の応募者と差別化を図らなければなりません。
そのため、簿記1級を持っていると、これまでの努力や将来性をアピールすることができるので、大手企業への転職の成功率をかなり上げることができるでしょう。
《関連記事》【人事転職】大手企業の人事として転職を成功させる4つのコツと企業選びの3つの注意点
以上、日商簿記の各級ごとに取得するメリットを解説しました。
簿記に興味を持たれた方は、ぜひ無料の講義などを視聴することから始めて見てください。
また簿記検定のもう一つの魅力は、各級とも受験資格がないという点です。
そのため、2つの級を同日に受験することが可能です。
【簿記3級2級を3ヶ月で同時合格】合否を分けた3つの理由を経験者が徹底解説
簿記3級2級の同時合格を目指すことで、効率的に簿記の知識を学ぶことできます。
ただ3級と2級を普通に勉強すると、時間が掛かり過ぎてしまいます。
本章では簿記3級と2級に3ヶ月で合格した経験のある私が、なぜ短期間で同時合格できたのかを解説します。
簿記3級2級を同時合格した3つの理由
- 通信講座で学習する
- 工業簿記に勉強時間を費やした
- 受験までの期限を決める
それぞれ詳しく解説しましょう。
通信講座で学習する
私は3級2級ともに、通信講座のクレアールで勉強をしました。
恐らく通信講座でないと、短期間で合格することは無理だったと思います。
その理由は2つです。
- 3級を完璧に仕上げられた
- 2級は思ってるより試験範囲が広くて難しい
3級を完璧に仕上げられた
3級は独学で十分合格可能です。
ただ2級や1級、税理士などの国家資格を目指す方は、3級の内容を通信講座などで徹底的に勉強すべきです。
2級以降の内容も、3級の内容がベースになります。
3級の内容を完璧に仕上げないと、2級以降の学習に付いていけなくなります。
どのレベルまでに仕上げるかというと、3級を受験したら1問間違えるかどうかぐらいの仕上がりぐらいでないとダメです。
遠回りに思うかもしれませんが、3級を徹底的に理解するのが簿記検定を攻略する近道になります。
2級は思ってるより試験範囲が広くて難しい
「3級は余裕で合格できたから、2級も余裕だろう」と思っている方もいるかもしれませんが、そう甘くはありません。
2級は3級と比べると難易度が一気に上がります。
2級の難しい論点
- リース取引
- 有価証券
- 税効果会計
- 本支店会計
- 連結会計など
3級の試験範囲にはない内容を新しく学ばないといけません。
しかも一つ一つの論点が難しくなるので、理解に時間が掛かります。
私は実際に勉強して、これを独学で学ぶのは相当厳しいだろうなと感じました。
現に、簿記2級の合格率は、10人に2人ほどしか合格できない難しさです。
《簿記2級》156回統一試験データ(令和2年11月)
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
39,830名 | 7,255名 | 18.2% |
では、通信講座の受講生の成績を抜き出すとどのぐらいなのでしょうか。
以下のデータを見てください。
《簿記2級》令和2年度合格率データ
会社名(講座名) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
クレアール(簿記検定3級・2級マスター) | 186名 | 42名 | 22.6% |
ユーキャン(簿記2級講座) | 191名 | 84名 | 44% |
フォーサイト(バリューセット2) | 382名 | 199名 | 52.1% |
人気の高い3つの通信講座すべて20%以上の合格率になっています。
同年に行われた試験の全国の合格率18.2%と比較するとその高さが一目瞭然です。
この数字を見て頂ければ、最短で合格を目指すなら通信講座がおすすめの理由がわかるでしょう。
「この数字って信憑性あるの?」と思われた方もいるかもしれません。
こちらのデータは、公的機関が公表しているものになりますので、安心してください。
データの出所や信憑性については、こちらの「簿記2級の合格率が低い理由【通信講座の本当の合格率を調べる方法】」で詳しく解説していますので、興味がある方はどうぞ!
工業簿記に勉強時間を費やした
先ほども解説しましたが、2級になると商業簿記の内容がかなり難しくなります。
しかも2級の試験は、難問が出る回も多いので、出題内容によって合格率が大きく左右されます。
そのため、商業簿記で高得点を取る勉強法ではなく、工業簿記で高得点を取る勉強法が有効と言えます。
その理由は以下の2つです。
工業簿記が狙い目な理由
- 配点が高い
- 出題難易度が安定している
簿記2級の配点は以下の通りです。
《簿記2級》配点
商業簿記 | 工業簿記 | |
---|---|---|
出題数(全5問) | 3問 | 2問 |
配点(満点:100点) | 60点 | 40点 |
ご覧のとおり、配点が40点と非常に高くなっています。
出題内容も商業簿記のように難問が出題されることがほぼなく、毎回安定した難易度を保っています。
そのため、問題集を繰り返し解くことで、ある程度高得点を取れるようになります。
努力した分だけ得点に結びつきやすい科目と言えるでしょう。
目標点数は、40点中30点以上取りたいところ。
そうすれば、商業簿記で全く手が出ない問題が出題されても、基本問題で得点が取れれば合格の可能性が残ります。
工業簿記の学習を疎かにせず、しっかり学習時間を確保しましょう。
《関連記事》クレアール簿記講座の悪い口コミ徹底分析【受講生の失敗談を大公開】
受験までの期限を決める
2020年からネット(CBT)試験が開始され、現在は筆記(統一)試験と両方開催されています。
それにより、年3回しかなかった受験機会が一気に増え、勉強の進捗をみながら受験のタイミングを自分で決めることができるようになりました。
ただ考え方次第で、受験期間を長引かせてしまうことにもなり兼ねません。
受験を長引かせる思考
- いつでも受験できるからまだ勉強しなくてもいいや
- 合格レベルに達したら受験を申し込もう
こういった考え方だと、いつになっても合格できるレベルに持っていくことはできません。
勉強を開始する前に必ず受験日を決めるようにしましょう。
その際は、以下の期間を目安としてください。
- 3級:受験勉強開始から1か月後
- 2級:受験勉強開始から6か月後
2級は進捗に応じて早めるのはOKですが、伸ばすのはやめましょう。
意思が弱いという方は、私のように「統一試験」をあえて受験するのもおすすめです。
受験勉強はラスト2週間で合否が決まるので、自分を追い込める方法を選択してください。
以上、私が簿記3級2級を同時合格できた理由について実体験を基に解説しました。
ポイントをおさらい
- 通信講座を受講
- 工業簿記の勉強時間を確保
- 勉強を始める前に受験日を決める
何も特別なことをやってないことがわかるかと思います。
私が実際に合格した際に受講したクレアールは、3級2級講座を同時受験するとお得になるので、おすすめです。
資料請求は無料なのでお試しにどうぞ!
《関連記事》《クレアール簿記講座》元受講生が教える4つの注意点と本当の評価とは?